お助け部ッ☆
『「黄金のキノコ?」』
おとなしくなった姫香を神山の隣に座らせ、お茶を出すと、老婆はそんなことを言い出した。
頭にはてなマークを浮かべた姫香と神山の声がピタリと重なる。
「そうじゃ。この山のどこかに生えていると聞く」
老婆はお茶をすすりながら言った。
「……どう?姫…」
『とてつもなく胡散臭い』
「同感」
そう言った2人の頭に、老婆のチョップがはいった。
『「いたーっ!!」』
お年寄りとは思えぬ早業とパワーに、2人は目に涙を浮かべた。
「なぁーにが胡散臭いじゃ!価値もわからんくせに!!」
『だって黄金のキノコとか!……ありきたりじゃん?』
「は?」
姫香の言葉に、老婆は目を丸くした。
あ、ありきたりじゃと?
『だってさー、アドベンチャーならもっと意外性のあるお宝探したくね?
キノコ狩りに来て黄金のキノコ探すとか、めちゃめちゃベタじゃん。
なんか、こう…キノコ狩りに来たのに黄金のタケノコ探せ!とか?あ、なんならさ……』
ペラペラとアドベンチャーにおける宝について語る姫香。
「……コイツの言葉は無視してください」
いい加減鬱陶しく思った神山は、姫香を遮った。
『なんでさ!!イノシシは黙ってろや!!』
「うっせぇ!イノシシじゃないっつってんだろ!!」
未だイノシシの着ぐるみを着ているやつが言っても説得力0だけど。
『イノシシ狩りじゃぁぁぁ!!!!』
「狩るなァァァ!!」
山小屋においてあった小さい鎌のようなものを持って神山を追いかけ回す姫香。
「えーい!黙れ黙れィ!!」
老婆がまた2人にチョップをくらわせて、止めた。
『「チョップやめろクソババァぁぁ!!」』
「いちいちリアクションが長いんじゃ!!いい加減次に進ませろ!!」