お助け部ッ☆
一方、その頃の特別寮───…
「………。」
ダイニングテーブルを囲んで、仁、翼、大和が座っていた。
テーブルの真ん中には、本日のおやつ、ベイクドチーズケーキが乗っている。
「「竜……」」
「ん?」
「「落ち着け」」
みんながくつろぐ中。
忙しなく歩き回る人物がただ一人。
「む、無理…」
竜也である。
「姫ちゃんを神やんと2人で行かせたの、竜だろーが」
翼がケーキを食べながら言った。
竜也が落ち着きない理由。
それは……
神山と姫香が一緒にいるから。
「しょーがないじゃん。淳之介の昇格試験と姫香の罰ゲームの内容が全く一緒だったんだもん」
言い訳をするも、焦っているのは事実。
「じゅ、淳の試験もキノコ狩りなのか!?」
仁がビックリして聞いた。
「山ってのは人間の領域じゃないからな。望月財閥が求めているのは何事にも屈しない人材。
何も持たされずに山に放り込まれても平気、かつ任務を確実にこなすヤツ……だろ?」
大和がコーヒーをいれながら言った。
「まあそんな感じ」
竜也が頷く。
「そんなこと出来る人いんんの!?」
俺、淳がそんなすごい人には見えねぇんだけども。
仁は心の中で呟いた。
「淳之介は英才教育受けてるからね」
あれで!?
仁は神山の性格を思い出す。
茶髪、ピアス、教育実習3年目、翼以下。
「うっそだぁ!」
という結論にたどり着いた。