お助け部ッ☆
「淳は…あれで結構優秀らしいな」
大和が竜也に聞く。
「アイツ、そっちの世界じゃトップだよ?」
「こっちの世界じゃ落ちこぼれなのにな」
翼も続けた。
それには誰もツッコまなかった。
「そーいや……莉央と翔平は?」
仁がキョロキョロ見渡すが、2人の姿は見当たらない。
おやつの時間、莉央が出てこないわけないし、翔平だって起きてくるはずだ。
「あの2人は…とある依頼に回ってもらったよ」
大和が一枚の紙を仁に見せた。
それにサッと目を通す。
「………え?莉央はともかく、翔平?この依頼に翔平チョイスなの?っつかアイツ承諾したの!?」
「何も言うな、仁。嘘も方便って言葉、知ってるか?実にいい言葉だ」
「騙したんすね、大和さん。あの翔平を……マジ尊敬するッス」
上には上がいる。
実に恐ろしい言葉だ。
「決めた!!」
なんの脈絡もなく、急に叫んだ竜也。
「俺、姫香んとこ行ってくる!」
………結局そうなるのね?
ある程度想像してた3人だった。
「だったら最初っからついてきゃいいのに」
翼が不思議がる。
「姫香には…俺の必要性を感じてもらおうと」
みんな意味がわからず、首を傾げたが、竜也は1人燃えていた。
絶対……
俺がいなきゃ寂しい、って言わせてやる。
俺がいなきゃ、な。
昨夜の出来事がそんなに気にくわなかったのか、意外と根に持つタイプの竜也だった。