お助け部ッ☆
なんでだろう。俺の嫌な予感、ハズレたはずなのに。尋常じゃないくらい不安。
「兄貴…」
「恭介…?」
まだ眠いんだろう。虚ろな目が俺をとらえた。
「なんで、お前がいんの?」
「莉央さんに呼ばれた」
「………どーゆー組み合わせだよ…」
確かに、不思議な陣形。
俺と、兄貴と、莉央さん。
接点は多いものの、共通点が見つからない。
「じゃ、行こっか!」
そそくさと寮を離れようとする莉央さん。
「「待って」ください」
俺と兄貴が同時に呼び止めた。
ギクリといった効果音が似合いそうなほど不自然に、莉央さんが立ち止まる。
「な、何かなー?」
「内容は?」
「知りたいんですけど」
やっぱり兄貴も同じことを考えていたらしく。
「やだなー!翔たん、いつもは聞かないでしょー?」
ニコニコした顔に、どことなく焦りが見える。
絶対何か隠してる。
「気が変わったんだよ。言ってみ?」
兄貴が無表情でたずねる。弟の俺が言うのもなんだけど、ものすっごい迫力。
「安心しろ、2人とも。大したことじゃない」
そう言ったのは莉央さんじゃなくて。
「大和?」
お助け部の部長、大和さんだった。
「大したことじゃないって、何?」
兄貴、標的を莉央さんから大和さんに変えた。
あ、莉央さんが若干ホッとした顔してる。
あの莉央さん、ビビらすなんて…兄貴って一体……?