お助け部ッ☆
「ホテル・舞姫って知ってる?」
大和さんの口から出た、有名な高級ホテルの名前。
「知ってるけど。それが?」
「依頼者、そこのオーナーの娘。ホテルのイベントに参加してほしいんだと」
ホテルのイベントに参加?莉央さん、なんでこれを隠したんだ?
「……イベントって何?」
「それはわからないよ。依頼状にはそうしか書いてなかったんだから」
「なんで恭介、呼ぶの?」
「人手が足りないから?」
「お前ら、何するんだよ?」
「姫ちゃんの罰ゲームと淳の試験が重なったって話しただろ?そっちでいっぱいいっぱい」
「俺と莉央、抜けてもいいわけ?」
「そりゃ困るさ。でもこのイベント、今日だから。忙しい日に限って色々かぶるもんなんだよ」
「ふーん」
よくわかんないけど……この2人の会話が怖い。
お互いを探りあってるみたいな?
コンビ組むと最強だけど、対立すると最恐だな。
「……わかった。行ってくる」
「おぉ、頼んだ」
「ただし…イベント内容が気に入らなかったら、参加しない」
…兄貴、それはワガママじゃない?
「…いいよ。出来るもんなら」
ニッコリ笑った大和さんが、どれほど怖かったか。
そんなこんなで、俺はまだ納得してないのに、半強制的に連れ出された。