お助け部ッ☆
「いや〜、可愛かったよ!【恭子ちゃん】♪」
「莉央さん、下剋上しますよ」
「怖いーっ」
出来ないけどさ。あんた強いし。
舞台袖に帰ってきた俺は、早速ウィッグをはずそうとした。
1番ってのは、1番始めに女装がとけるから、ある意味よかったかもしんない。
「ちょ、ちょちょ!何してんの!?」
ウィッグを取ろうとしてる俺を制止するヤツが1人。
「ダメだって!写真撮影して写真集にして売り飛ばしてガッポリ……コホン。コンテストが終了するまで、そのままで」
取り繕うような笑顔をみせる、麻実さん。
思いっきり【素】が出てたことから、彼女も金の亡者らしい。
仕方なく、女装をとくのはおあずけ。
まぁ、そんなことより。
「写真集って、なんですか」
そのあり得ない単語の真相を突き止めなくては。
「あぁ。去年、うちの高校で女装男子コンテストなるものを開催したんです。それが反響を呼んで、これからは恒例行事にしようと。
でもさすがに…あなた達ほど完成度は高くなくて。
だから、写真集にして売り飛ばせばガッポリ稼げんじゃね?
って思いまして」
なんか、この女はとてつもなく恐ろしいことを考えているらしい。
「俺の女装姿をばらまくんですか」
「あら。もうばらまいてるじゃない?」
「これ以上広げないでください」
「これ以上?テレビで全国生放送してるのに?」
「っ……じゃあ!伝説のモデルとして、金輪際女装はしません」
「…それはどうかしら」
「は?」
麻実さんの目線が舞台に移った。
俺も追うと……