お助け部ッ☆
あぁ…ヤバイ。
あたし、そんなにバカじゃないみたい。
わかっちゃった…全部。
仁が爆笑してる理由も…
教室で言われた、ドッキリさせられるって聞いた翔平のドンマイの意味も…
あたしのためだって言う竜也の真意も…
あたしの頭は未だに納得してないみたいだけど、本能は悟っちゃったらしい。
心臓がうるさいくらいドキドキいって、背中に冷や汗が流れた気がした。
あたしは……意を決して、恐る恐る聞いてみた。
『あの……莉央ちゃんってさぁ……もしかして………いや、もしかしなくても……莉央【くん】?』
「えへ♪」
可愛く笑われても……ねぇ?
さっきの格好だとまったく想像もつかないけど……彼女…じゃなくて。彼が着替えてきた制服は、紛れもなく男子用なわけで。
よくよく見れば結構鍛えてそうな体つきしてるわけで。
今はどー見ても男にしか見えないわけで。
「…姫ちゃん…嫌いになった?」
『え?』
「実は男だって知って、僕のこと嫌いになった?
……ホントは竜ちゃん達をビックリさせようと思って着ただけだったんだけど…
…迷ってた女の子がまさか姫ちゃんだとは思わなくて…
しかもまったく気づかないから楽しくなっちゃって……」
さ、最後の一言はともかく……
格好がどうとかじゃなくて、あたしはただ……ここまで連れてきてくれたお礼が言いたいだけなのに。