お助け部ッ☆



『莉央ちゃ…じゃなくて。
莉央、ありがとね』




さすがにちゃんはつけらんないよね。
でもくんつけるのもなんか抵抗あるし。




「え…?」

『だって…迷ってたあたしをここまで連れてきてくれたのは莉央でしょ?
それを莉央【ちゃん】にしたのはあたしだもん。
それに…可愛いかったからいーの!!』




莉央、初めから女だなんて一言も言ってない。
あたしが勝手に勘違いしただけだし?
莉央を嫌いになる理由、ないじゃん。


だいたい男だろーが女だろーが可愛いんだからそれでよくね?


似合いすぎてビックリしたけど。たしかにあれは詐欺だわ。




「姫ちゃん…好きー!!」

『ちょっ…わー!!』




莉央に抱きつかれた。




『離せ、コラ!!男なんでしょ!?』

「僕…体は男だけど心は…」




え、待って?莉央ってもしかして…もっと複雑な…




「男だよ♪」

『結局フツーの男じゃん!!離せ!!』




新庄莉央とは。
・超可愛い
・女装が似合う
・でもやっぱ男!!






「器デカイねー、姫って」



姫香と莉央のやり取りを見ていた仁が感心して言った。




「マジで変わってんな。竜が気に入るわけだ。あ、ほらまた嫉妬してる」




翔平が視線をずらすと、姫香にじゃれる莉央を、黒いオーラを出しながら見つめる竜也がいた。




「ホントだ…。でも竜、飽き性だもん。ちょうどいいんじゃない?姫って飽きなさそうだし」

「騒がしいだけ」

「まんざらでもないくせに♪」




再びソファーに転がった翔平の頬をツンとつついてみた仁。




「…トイレに流すよ?」

「…ごめんなさい」




ギロッと睨まれ、小さくなるしかなかった。




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