お助け部ッ☆



「たっ、太郎さん…!?」




純白のウエディングドレスを着た、綺麗な女性がいた。


あ、この人太郎っていうんだ。


ますます田中のがお似合いじゃん。




「どうしてここに…」




彼女も彼女の家族も驚いていた。




「お父さん、お母さん…僕はまだ彼女を諦められません!!
娘さんを僕にください!!」



ここでプロポーズ!?



あたしたち、超重要な場面に遭遇してる!?



ここであたしに出来ることなんてないことはわかってるのに、何故か慌ててしまう。



落ち着きたくて、助けを求めようと竜也を見ると……



コラァァ!!


待ち時間にどーぞ的な感じで置かれてるお菓子に手ぇ出してんじゃねェェ!!


たなっ…中田さんの一世一代の告白をなんだと思ってんだ、コイツ!!



うわ!チョコレート食ってる!ほんとフリーダム……




「田中くん…」

「あの…中田です」




沈黙を押し破った彼女のお父さん。


彼女のお父さんにまで間違えられてるよ!!
だって田中って顔してるもん!!




「本当は…君みたいな人に娘をもらってほしかった…」




お父さんスルーしたね。
自分の呼び間違い、スルーしたね。




「私が連帯保証人になったばっかりに……」




みんな号泣してる。


せっかく止まったのに、また涙が出そうになった。


その時───





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