アンティーク
「レオ、これ知り合いからもらったんだけど、行かない?」

将生が持っていたものは、近くの美術館で行われているアンティーク展のチケットで、その手には2枚ではなく3枚のそれがあった。

「いいね、あと1枚はどうするの?」

「神崎玲奈でいいんじゃない」

将生が、その名前を口にするのは意外だった。

そもそも、女性を誘うこと自体が珍しい。

大学内ですら、女性とは必要事項以外は連絡は一切取っていない。

もしかしたら、これはもしかするかもしれない。

「うん、そうだね。玲奈さんなら来てくれそうだしね」

「じゃあ、連絡しといてくれる?」

「分かった」

もし、将生が玲奈さんを好きだとしたら俺は純粋にその恋を応援をしたい。

「もしあれだったら、2人で行って来てもいいよ」

「勘違いすんなよ。べつに、好きじゃないからな」

と言う将生の顔は、ポーカーフェイスで、たしかにそこからは恋というものを読み取ることはできない。

となると、俺のただの勘違いだろうか。

ただ、アンティーク好きなみんなで行きたいという考えだったのかもしれない。

「そう、でももし気持ちが変わったその時は応援するよ」

「そんなこと、絶対ないから」

「はいはい」

将生は少し不機嫌な様子で制作室へと戻って行った。

この話題は、まさか本人の前ではしないほうがよさそうだ。

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