続・政略結婚は純愛のように
由梨の頬を一筋の光が流れた。
 由梨が、隆之を誇らしく思うことはしょっちゅうだけれどその逆があるなんてこと思いもしなかった。
 信じられないことだけれど確かに隆之の瞳には真摯な色が浮かんでいる。
 由梨は隆之と肩を並べられるようになりたいと願ったいつかの夜を思い出していた。
 まだまだ追いつくことはできていないだろうけれど、確かに一歩近づいた。

「隆之さん、私を見つけてくれてありがとございます。私貴方に出会うまではどこかぼんやりとして、出口のない迷路をあてもなくさまよっているような感覚でした。隆之さんが一緒に出口を探してくれたから外に出られたんです。私、今とても幸せです。世界中の誰にも負けないくらい幸せです。私だって自慢したいもの…。その…私の旦那様は世界で一番素敵な人だって。」

由梨も繋いだ手に力を入れた。
 暖かい色の夕陽が、目の前の街をオレンジ色に染めてゆくのを目を輝かせて見つめながら。
 隆之が由梨の頬を指で拭った。
 そして夕陽と同じ色に染まる由梨を、あの狼の瞳で見つめて囁いた。

「では…その旦那様にご褒美をくれるか。今夜、この間と同じ部屋を予約した。…打ち上げが終わったらおいで、待ってるから」

 由梨は大好きな大好きな大好きなその狼の瞳を真っ直ぐに見つめて、こくんと頷いた。



〈完〉
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