さよなら、片想い
 肩を揉む手も止まって、うなだれていると岸さんが振り返る気配があった。

「どんな写真? 集まって撮ったほう? 君とふたりで写った……」

「そっちです……」

「あの人、いい年した息子の写ってる写真買ってどうするんだか。……どうしたの」

 私の様子がおかしいことに岸さんも気がついた。黙っていたら勝手に察してくれた。

「俺が買ったと思ってた? それで……」

 なおも沈黙を守っていたら顔を覗きこまれた。

「嬉しいと思った?」

 そこまで察したなら黙っててほしい……。


「恥ずかしい勘違いをしたって自分でもわかってるんで。そっとしておいていただけると……」

 岸さんはなにも言わなかった。
 願いを聞き入れてくれたのかと思ったらそうではなかった。
 近い背中が微かに振動していた。
 笑いを堪えているだけだった。

「これは……今年一番のヒットかもしれない」
「今年はじまってまだ二日目ですから」
「もう君が優勝でいい」
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