ねぇ・・君!
決着が着いた時
本社オフィスにいる寿子が、
英明のいる茶屋町オフィスに
揺さぶりをかけてきた。
しかし、高槻オフィスの時と違って
茶屋町オフィスの結束が強いと知った
寿子は、自分自身が負けるのではと
不安になっていた。
それは、高槻オフィスにいた
恭輔、沙織、雪恵がいることに加えて
孝之、香菜、夏子、優子が加わった
ことから茶屋町オフィスが
高槻オフィスの時のように
たたきのめすことができないと
知ったのだ。
しかし、寿子は諦めなかった。
ある日、清香がオフィスに
一人になったのを見計らって
寿子は、自分の部下である
男性の社員に清香を
レイプさせようとしたのだ。
この時、清香の悲鳴を聞いた
英明と恭輔が男性の社員を
捕まえて清香は難を逃れた。
そして英明は、怒りに任せて
男性の社員に詰問していた。
「誰に頼まれたんだ?」
「すみません、天野係長です。
天野係長から自分の借金を払ってやる
代わりに、長野課長の奥さんとなった
女性の社員を辱しめてやれと
言われたんです」
「このことは、佐伯常務に伝えておく!
首を洗って待っていろ!」
英明は、怒りに任せて
男性の社員に言った。
男性の社員の襟首を
捕まえたままであったが、
恭輔は、英明にどうするのか訪ねていた。
「どうしますか、課長?
こいつのやったことは未遂ですが、
これは犯罪行為ですよね?」
「恭輔、オレは今から
佐伯常務に連絡を入れる。
オレの妻に乱暴をしようとしたんだ。
このことは、必ず償ってもらう」
そして、英明は本社オフィスにいる
佐伯常務に連絡を入れた。
前妻である寿子が、
自分の部下をつかって
妻の清香を乱暴しようと
したことを包み隠さず、
英明は佐伯常務に伝えたのだ。
佐伯常務は、英明の連絡を聞いて驚いた。
寿子は、英明の前妻で
英明に憎しみを持っているのは
知っていたが、犯罪行為を
部下にさせようとは
思っていなかったのだ。
そして、自分の部下である
男性の社員の報告を待っていた寿子が、
佐伯常務に呼び出されたのだ。
「天野くん、キミのやることは
目に余るものがある。
さっき、茶屋町オフィスの
長野課長から連絡がきた。
キミの部下が、長野課長の奥さん
となった女性の社員に乱暴をしようと
したと連絡が入った。間違いはないか?」
寿子は、この時自分の部下が
失敗をしたことを悟ったのだ。
「どうなんだ?ハッキリと言いたまえ!
キミのしたことは、犯罪行為だ。
こればかりは、許すことはできない。
このことは、上役に相談をして
処分を決める。
それまで、キミは謹慎をしたまえ!」
こうして、寿子は謹慎処分と
なったのち、部下である男性の社員と
一緒に懲戒解雇となった。
そして、寿子と部下である
男性の社員は、英明が警察に
被害届を出したことにより、
婦女暴行未遂で警察に逮捕された。
このことを聞いた英明をはじめとする
茶屋町オフィスの仲間は、
本社オフィスとの戦いに勝ったと
大騒ぎになった。
これで、寿子と決着が着いた。
これからは、清香と夫婦として
生きていこうと英明はそう思っていた。
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