幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
「もっと優しく……して?」

「ごめん」

そうは言ってくれるけど、痛さは変わらない。

それに血を吸われ過ぎて、目が霞んできた。

目眩がすごい……。

今にも気絶してしまうぐらいに。

それを見かねてからか、少し緩くなった。

私にとって嬉しいことだった。

けど、せっかく本気を出してくれたのに。

ともったいなく思えた。

「………緩めなくていいから。今まで通りでいいから」

「でも…………」

「確かに痛いし、気絶しそうだよ。でも、玲音の本気で吸われたいの」

「………お前なぁ」

玲音は呆れているようだった。

「自分を大切にしろってあれほど言ったのにまだ分かんないのか?」

「違うよ。玲音も自分を大切にして欲しいの」

そんなのズルいぞ、と玲音は歯を食い縛った。

「それなら、俺も本気でいかせて貰うからな。後悔しても責任は取れねぇから」

「いいよ。だって、私が決めたんだもん」
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