どうも、弟です。

硬直してしまい、メガネをかけることもできない。

口も動かない。

表情筋も仕事をしない。


「……あ、あの…」


ちらりとすみれに目をやると、『早くなにか話しなさいよ!』とでも言いたげに眉間にシワを寄せている。

いや、助けてください……。


「ねえねえ、教室まで一緒に行こーよっ!!」

「え、俺もお供したーい!!」


突然女子生徒が私の手を握り、私の思考回路は完全にショートしそうになった……時だった。



「みんなおっはよー、これクラス表?見して見して~」


「っ」


聞き覚えのある声が、頭上から振ってきた。


「きゃあっ」

「えっ、同じ高校だったの!?」

「かっこいい~!!」



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