愛は惜しみなく与う③


……

「あたしと、サトルは孤児なの。同じ孤児院で育って、それぞれ里親に引き取られてからも、よく会ってたの。あたしはサトルが好きだった。

サトルは……里親に恵まれず、色々なところを転々としていたの。

その頃から少しグレだして、女遊びも酷くなって……あたしはよく分からないけど、スコーピオンていう犯罪集団に入ってるって聞いてた」



待って?孤児なん?サトル
どうりでなにも、情報がないわけや


「で、まずは、紗羅ちゃんはなんであたしに近づいて拉致ってこんなことしてんの?」


そこやろ。まず
サトルの話よりも、今は紗羅ちゃんの話し


「信じてもらえないかもしれないけど、出会ったのも偶然。助けてくれた時、わざわざ家まで来てくれた時……本当に嬉しかったの」


え?


「本当にあたし孤児で、友達いなくて…ずっと寂しかったの。杏ちゃんみたいな優しい…友達ができるって嬉しかったの。本当に……杏ちゃんと友達になりたかった」


目の前で涙を流して話す紗羅ちゃんは、出会ったあの頃のピュアな紗羅ちゃんだった
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