愛は惜しみなく与う③
危な!!

パッと避けると、水瀬ではなく

優しくて少し強引に…




泉に抱き寄せられた



「…杏。遅くなってごめんな」

「避けへんかったら、今の椅子、当たってたで?」

「あれくらい、避けるだろ?」


……そやけどさ?
なんか落ち込んでる時やったしさ?反応鈍ってるかもしれへんやん?

泉はあたしから少し離れて
破けたわけではないブラウスをみて、無言でボタンを閉め出した


どうすることもできず、ただあたしは、されるがままになっていた



ボタンがしまって、再び息ができないほど強く抱きしめられる。うぅ…しんどいよぉ

でも



「来てくれて…ありがと」


涙が止まらなかった


あたしってこんな弱かったっけ
怖かった

自分じゃなくなりそうで


こわかったよ



「怖かったよな。ごめんな。」



そう言って背中を優しくトントンと叩く泉は、小さい子をあやしているような姿だった

そして水瀬の声で我に帰る



「見張りは…どうした!」


そや。泉1人?



「うちには優秀な幹部がいるからな。外にいた奴らは全員、床で伸びてるよ」


!!!
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