消えかけの灯火 ー 5日間の運命 ー
「……もしあの現場を放っておいたら、千歳は事故死だった。窓を突き破ってきた野球ボールが、頭に当たるの」
「それのせいで?」
「直接的な“死”はそれじゃない。頭にボールが当たったことで、ちょっとした脳震盪を起こしてふらついたあなたは、その場で座るようにしゃがみ込んでしまう。そしてその瞬間、割れた窓ガラスが、千歳……あなたの全身に突き刺さるの。突き刺さる数々のガラスの破片のうち一つはとても大きくて刃先が鋭くてね、それが……あなたの心臓を貫いた。」
想像すると、ぞくっと背筋が凍りついた。
「その場は血の海。あなたはその割れた窓ガラスが心臓に突き刺さって……死んでいたのよ」
俺が……そんな……?
「そんなのただの妄想……」
俺がそう言いかけた時だった。
凛の手の震えに気がついたんだ。
凛はまるで、何かに怯えているかのようで……。
「凛……?」
俺が顔を伺うように話しかけると、凛はハッとした様子で我に返ったようだった。
「……とにかく、そういうことだったの。」
……凛には、本当にハッキリと見えていたのだろうか。
でも凛のこの様子……全く信じられないとは、言えないよなぁ。
でもあの現場に立ち会ったのは本当なわけだし。
あそこに俺がいたら、たぶん、本当にそうなっていた可能性は無いとは言えない。
凛が言っていることは……本当……なのか……?