冷徹社長の初恋
清水さんが部屋を出ていくのを見送ると、春日さんが呟くように言った。

「たく。清水はいつも余計なことばかり言う」

なんだか、拗ねたような雰囲気の春日さんが、おかしくなる。

「清水さんは、春日さんのことを思っていらっしゃるのが伝わってきますね」

「まあ、あいつだけだな。俺を怖がらずに言いたい放題してくるのは」

「いいですね。そんな人がそばにいてくれるなんて」

「絲もだぞ。絲は清水とは違う意味だが、俺にものを言える貴重な存在だな」

「わ、私なんて……」

「だから、絲も俺のそばにいてくれよ」

春日さん意味深な発言に、戸惑っているのに、自然と「はい」と答えていた。
春日さんは、さっきよりもさらに優しい笑みを浮かべていた。

「嬉しいな。さて、絲。仕事の話はここまでにして、食事に行こう。何か食べたいものはあるか?」

「この辺りのお店はよくわからないので、春日さんにお任せしてもいいですか?」

「わかった。じゃあ、行くぞ」



< 129 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop