冷徹社長の初恋
「絲が今思っていることがなんだか、わかったぞ。俺が恋人と手を繋ぐのは、そんなに意外か?」

「え、えっと……はい」

「ははは。安心しろ。俺自身が意外に思っているんだ。こんなふうに手を繋ぎたいなんて、思ったこともなかった。絲が近くにいると、触れていたくなる」

もう、剛さんの言葉には、赤面させられてばかりだ。こんなに甘い人だったなんて……でも、すごく嬉しい。

「私は、手を繋いでくれて、嬉しいです」

「はあ、絲……」

えっ、何か失礼なことでも言ったかな……
ため息をついた剛さんの顔色を窺ってしまう。

「絲。そんなふうに、俺の顔色なんて窺わなくていい。絲は絲らしくいてくれればいい。俺になんの遠慮もなく、言いたいことを言ってくれ。
ちなみに今のは、必死で絲に触れるのを我慢しているのに、そんなふうにかわいいことを言って煽られたら、今すぐここで抱きたくなってしまうだろという意味だ」

「だ、だ、抱きたく……」

「だめだ。絲の全てがかわいすぎる。今夜は、絲の部屋に泊まるからな」

「えっ?泊まる?狭いですよ?」

「なんだ、絲。俺と一緒は嫌か?絲があまりにもかわいいから、今夜も放してやるつもりはないぞ」

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