冷徹社長の初恋
剛さんは、こんなにもストレートに言う人だったんだ。ストレートすぎて、言われたこっちは、ただただ恥ずかしいばかりだ。

「い、嫌じゃないです。私も剛さんと一緒にいたいです」

「はあ、絲。今夜は覚悟しておけよ」

もうこれ以上何か言えば、ますます恥ずかしい思いをさせられそうで、ただ頷くだけにとどめた。

私の部屋に向かう途中で、いつも行き慣れたスーパーに立ち寄った。剛さんがカートを押す横を、一緒に歩く。二人の手は、自然と繋がれている。

「剛さん。いつも食事はどうされてるんですか?確か以前、会食とか……って言ってましたけど」

「ん?朝はコーヒーだけだな。昼や夜は会食か、なければ清水が買ってきたものとか、外食だな。昼は逃すことも多い」

「えっ?想像以上に不健康そうな……それじゃあ、体の調子を崩しちゃいますよ?私も普段は手抜きが多くて、人のこと言えないですけど。でも、さすがに全て外食や買ったものだなんて……」

「なら、時間のある時は、絲が世話をしてくれればいい。俺の部屋で暮らすか?それとも、絲の部屋でもかまわないぞ?その時は、俺もできることを手伝おう」

「えっ、えっと……考えておきます……?」

「ははは。前向きに頼んだぞ」

だめだ。剛さんがあますぎて、私の心臓が保たない。この変わりようは、いったいなんなのだろう……
でも、こんな剛さんもなんだかかわいくて、ますます愛しくなる。


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