冷徹社長の初恋
「これからは、こんな不安な思いはさせないよう、努力する。絲、俺と結婚の約束をしてくれないか?」

〝結婚の約束〟っていう言い回しが嬉しかった。ことの進みが早すぎることに戸惑う私を、剛さんが気遣ってくれているみたい。

「剛さん……」

このまっすぐな剛さんの目は、嘘じゃないと信じられる。

確かに、過去にはいろいろな女性との付き合いがあったのかもしれない。でも、それを考え出したらキリがない。

そして、なにより私は、剛さんのことを愛している。

知り合ってからの時間の短さからくる不安は、これからもあるかもしれない。でも、それ以上に、私は剛さんについていきたいって思ってしまった。

「社会人としても、人としても、まだまだひよっこな私ですが、いいですか?」

「ああ」

「仕事のこととか、親のこととか、考えなきゃいけないことが多い私でいいですか?」

「ああ」

「これからも、ちょっとしたことで不安になったり、疑ってしまうことがあったりしても?」

「それは、俺にも原因がある。お互いにもっと信頼し合えるように、たくさんの時間を共有していこう」

私の問いかけや不安に、剛さんは優しい笑みを浮かべて応えてくれる。



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