冷徹社長の初恋
「いや。絲がいい」

そうはっきり言い切られて、ドキンとした。
春日さんは単に、アドバイザーとして私を求めているだけだとわかっているんだけど、〝絲がいい〟って力強く言い切られて、違う気持ちが込められているんじゃないかって、勘違いしそうだ。

春日さんは、大きな会社の社長で、私よりずっと歳上の大人の男性で、女性なら多くの人が惹かれるような容姿で……社会に出たばかりの小娘なんかを、特別視するわけなんかないのに……

「絲、どうかしたか?」

「い、いえ。なんでもないです」

「そうか。で、どうだ?俺に協力してくれないだろうか」

「私でよろしければ、ご期待に応えられるかわかりませんが、お手伝いさせていただきます」

「ありがとう」

春日さんが優しく微笑んだ。
だめだ。春日さんの笑みを見ると、胸がドキドキしてしまう。部下の人に向ける、威厳のある顔とのギャップが大きすぎる。

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