続・カメレオン王子とひとりぼっちの小鳥ちゃん
こんな服を着て、
男がうじゃうじゃいる結婚式になんて行ったら、
未婚のハンターに間違いなく狙われる。
しかも、
あの柳田とかいう奴もいるんだろ?
ダメダメ!
絶対この服はダメ!
断固阻止しないと!
「似合って……ないかな?」
「そのワンピはないな。
俺が、琴梨に似合う服、
探してやるから、他のにしな」
「でも……
七海ちゃんとお揃いにしよって言って、
買っちゃったし……
私は、この服で行きたいな」
「俺が、他のにしてってお願いしても?」
「う……うん」
は?
なんだよそれ?
どうでもいい男たちの前で、
可愛くなりたいってどうよ。
「礼音くんは、どう思った?
やっぱり、可愛くないって思った?」
かわいいよ。
かわいいに決まってるじゃん。
だから俺は、
この服なんか着て欲しくなくて、
着るなら、
俺と二人だけの時にしてほしいんだよ。
「ベージュのワンピース持っていただろ?
あれでいいじゃん」
「でも……七海ちゃんと……」
「そんなにその服で結婚式に行きたいなら、
勝手に行けば。
俺は髪をセットしないからな。
あ、ネギトロまきも食べる気なくなった。
いらない。」
俺はそう吐き捨て、自分の部屋にこもった。