三日間の幸福
この事実を知ったら、平良はどんな反応をするだろう。

平良に言わずに中絶してしまおうか。

ずっと悩んでて、すっかり夕ご飯の準備を忘れていた。

もう今日は適当にパスタ茹でて終わりにしよう。
お湯を沸かし始めた頃、平良が帰ってきた。

「疲れた〜。」

そう言って靴を脱いで上がってくる。

私がお湯を沸かしてるのを見て、「パスタでしょ。」と笑いかけてくる。

どうしよう。

平良には言えない。

この関係が壊れるのが怖い。

パスタを茹でた時だった。
今まで平気だったはずなのに、突然匂いが喉の奥を突いてきた。

急いでトイレに駆け込む。

「大丈夫?胃腸炎?」

平良の心配する声が聞こえた。

胃腸炎か。
それだったらいいのに。

私を置いて、私の体がどんどん変わろうとしている。

トイレを出ると平良が立っていた。

「吐いた?」

私はただ頷く。

「まじか。感染性かな。」

平良は何も気付いてない。

「一瞬つわりかと思った。」

冗談混じりの発言に、私は思わず目を逸らした。

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