妻恋婚~御曹司は愛する手段を選ばない~
今の私の態度を拒絶だと捉えられ、嫌われてしまったらどうしよう。
お願いだから、私から離れていかないで。
私は勇気を振り絞り、彼の書斎の扉の前に立つ。
ノックしようとした瞬間、がちゃりと扉が開き、私たちは驚きの顔で向き合い、固まる。
彼の手にはコメディ映画のパッケージが握りしめられている。それと彼の顔を交互に見つめていると、苦笑いされた。
「コメディ映画でも見て、気分を変えてもらえたらと思って」
私の肩を労わるようにポンと叩いてから、恭介君がリビングに戻ろうとする。
彼の私への気遣いに、心の中の不安が弾け飛んだ。
勢いよく後ろから彼に抱きつき、大きな背中に顔を埋める。
「……恭介君が好きだから、怖かったの」
しがみついた逞しい体がぴくりと反応する。
振り返ろうと身を捩ってくるけれど、涙で濡れた顔を見られたくなくて必死に背中にしがみつく。
「私のこと好き?」
自信なくぽつり問いかけた。一拍置いて、やや強引に恭介君が振り返る。