妻恋婚~御曹司は愛する手段を選ばない~
諦めずに私を脱がせにかかろうとする恭介君の手を、少し強引に払い除けた。
「少し約束の時間までまだ少しある。だから、まだ大丈夫」
拒否し続けると、恭介君が拗ねた顔をする。それが可愛らしくて、両手で包み込むように彼の頬に触れ、軽くキスをした。
「煽ったな」
楽しそうに口ずさんだ後、今度は彼が私の唇を奪った。
小さな笑い声を交えながらキスを繰り返すうちに、恭介君が私の体を抱え持ち歩き出した。
足取りと加熱するキスで、寝室に向かっているのが分かるも、熱を帯び始めてしまった体はすでに言うことをきかず、ただただこの先に待つ甘美さを求めるだけ。
寝室の扉が開けられたその時、インターフォンが大きく鳴り響いた。
ギクリと顔を見合わせ、ほぼ同時に表情を強張らせた。
リビングに足を踏み入れてすぐの場所にあるインターフォンの前まで、恭介君は私を抱えたまま歩いていく。
画面には、ニコニコ顔の晶子先生の姿が大きく写り、時折その後ろに、お義父さんの姿もちらついている。
「もうすこし遅くても良かったのに」