妻恋婚~御曹司は愛する手段を選ばない~
ダイニングテーブルの上にあるラップのかけられた彼の分の夕ご飯を横目で見た後、再びソファーに体を横たわらせた。
無音のままのスマホを自分の胸元に乗せて、そっと目を閉じる。
何時頃帰りますかと心の中で恭介君へと話しかけ――……温かで柔らかな感触に気付いて、ハッと瞼を持ち上げた。
窓から差し込む朝の光に、しばし呆然とする。
いつの間にか眠ってしまっていたようで、しかも今、自分は寝室のベッドの上で、掛け布団にしっかり包まっている状態だった。
ソファーからベッドまで歩いた記憶はないため、そうすると誰かに運んでもらったとしか考えられない。
「恭介君!」
慌てて飛び起きてリビングへ直行するも、すぐに気持ちがしぼんでいく。
彼の気配はどこにもない。
自分でベッドに行ったのに寝ぼけて覚えていないだけかと首を傾げた直後、ダイニングテーブルに置いておいた彼の夕ご飯がなくなっているのに気がついた。
おまけにそれらのお皿は綺麗に片付けられているため、彼が帰宅しているのはやっぱり間違いない。
運んでもらっているのに、どうして気付かなかったのかと悔しさを募らせた。
お皿の代わりのようにテーブル上に置いてあった私のスマホを掴み取る。