妻恋婚~御曹司は愛する手段を選ばない~


「羽柴コーポレーションのことなんだから、気になって当然よね。恭介は、美羽ちゃんに前もって話しておくべきだったわよ。気になるなら話をしてきなさい。電話なんかじゃなく、直接目を見て」

「で、でも。もうすぐ仕事の時間ですし」


どうしようか心が揺れている私の背中をさらに押すように、晶子先生が続ける。


「いいのよ。こっちは私に任せて、行ってきなさい」


すぐに決心し、手に取ったスマホをぎゅっと握りしめた。


「ありがとうございます。時間を作ってもらえそうなら、話してきます」


晶子先生と一緒にコンビニを出て、私はひとり駅に向かって歩き出す。


『話したいことがあります。少しだけ時間を作ってもらえませんか?』


その道中、勇気を持ってメッセージを送ると、程なくして着信が鳴り響いた。

相手は恭介君だ。歩道の端で足を止め、深呼吸してから電話を受ける。


「どうした?」

「どうしても聞きたいことがあって。ちょっとだけで良いから、これから会えない?」


呼吸を止めてじっと返事を待つ私に、緊張感を持った声で彼が返してきた。


「……もしかして、吸収合併のことか?」


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