妻恋婚~御曹司は愛する手段を選ばない~
深く刺されて、叔父はさらに渋面になっていった。
一方私は、すぐ傍に恭介君を感じたことで冷静さを取り戻していく。自分の体から無駄な力が抜けていくのも感じていた。
彼の言う通り、地位や名誉も、それらを一番欲しいているのはどう考えても叔父の方だ。
「この場で美羽を責める前に、どうしてアオトに吸収される事態に陥ったのかを考えるべきでは?」
「黙れ!」
「前社長ならこんなことにはならなかったはずだ。はっきり言うが、あなたは人の上に立つ器じゃない!」
「若造のくせに、分かったような口をきくな!」
叔父が語気を荒げた。怒りの剣幕に思わず足が下がりそうになるも、彼の手がしっかりと私を支えてくれた。
恭介君の表情は、叔父の怒号にも乱れない。むしろ小馬鹿にするかのように、得意げに笑ってみせた。
「自信を持って言わせてもらうが、俺はあなたよりも羽柴をよりよい形で生かし続けることができる。あなたの時代は終わった」
「貴様!」
叔父は顔面を蒼白にさせ、怒りで震える手で恭介君の胸元を掴みかかる。
彼の右足が半歩下がり、私の肩にあった手も落ちていったが、叔父を見つめ返すその表情は毅然としたままだった。
咄嗟に「やめて」と割って入ろうとするも、すぐに恭介君に目線で制された。