卒業まで100日、…君を好きになった。
表情を引き締めた平くんが、突然そんなことを言うから驚いた。
「へ……?」
「春川さんのことは、俺がちゃんと守るから」
何かを決意したような、凛とした表情でそう言った平くん。
なんだかそれは、まるで愛の告白のようで。
プロポーズでも受けたみたいな錯覚に陥って、ぶわわっと顔が熱くなる。
どういうこと?
平くんはどうしてこんなことを言うの?
「よ、よく……わからないんだけど。その、あ、ありがとう」
余計なことっていうのが何なのか、何から守ると言ってくれているのか、わからなかったけれど。
何か言わなきゃと思って出て来たのが、お礼の言葉だった。
平くんはフードをかぶり直し、「いや……」と首を振った。
今日は随分、フードを活用する日だ。
「……じゃあ、また明日」
「あ、はい。えっと、送ってくれてありがとう」
「うん。お大事に」
ちゃんと寝るんだよ。
そう言ってフードで顔を隠したまま、白い吐息の向こうに平くんは消えていった。