卒業まで100日、…君を好きになった。
店を出たところで、平くんが立っていた。
長めの前髪に隠れてすぐには気付かなかったけど、黒縁のメガネをかけている。
印象がだいぶ変わって、より知的に見えた。
かっこいい人はメガネをかけていてもかっこいい。
その証拠に、通り過ぎる女の人がみんな、平くんをちらちら見ていた。
「こんばんは、平くん」
声をかけると、彼はこっちを向いてメガネを指で押し上げた。
うーん、様になっている。
なんだか……
前にもこの姿の平くんを見たような気がした。
「こんばんは。家の人、何も言わなかった?」
「二年参りするって言ったら大丈夫だったよ」
出掛けに口論になった、とはさすがに言いにくい。