卒業まで100日、…君を好きになった。
冷たくなった右手が、あったかい大きな手に包まれた。
そのまま引かれて石畳を歩き出す。
繋いだ手と、彼の綺麗な横顔を交互に見た。
何度確認しても、繋がっている。
平くんと手を繋いで歩いている。
カッと顔が熱くなって、頭は真っ白になった。
人の流れに押されるように前へ進む。
前後左右が人の壁で、自然と平くんと身体が密着した。
「た、平くん……っ」
「はぐれると困るから。もっとこっち来て」
「は、はいっ」
こんなに彼と近づくことなんてない。
普段なら恐れ多くてムリだけど、いまははぐれないよう必死で、彼の左手をつかんでいた。
その時、ゴーンと遠くから重く響きわたる鐘の音が聞こえてきた。
夜の空まで届くような力強い音だ。