卒業まで100日、…君を好きになった。
「はじまったね」
「そ、そうだね」
彼はこっちを見ない。
しっかりと手は繋がっているけど、頑なにわたしを見ない。
ただ、フードをかぶる直前に見えた耳が、ほんのり赤く染まっていた。
午後11時過ぎからはじまった除夜の鐘。
最初は数えていたけれど、途中また転びそうになって、平くんに抱きとめられて。
頭の中がリセットされてしまったから、そこからはもう数えるのをやめた。
胸がドキドキうるさくて、それどころじゃなかった。
行列の先、辿りついた賽銭箱の前。
ゆっくりと彼の左手が離れていった。
ほっとしたような、残念なような、複雑な気持ちだけが残る。
総合すると、ちょっと寂しい。