卒業まで100日、…君を好きになった。
「つまんないって」
「えっ?」
「さっき。つまんないって、言ってたよね」
さっき、周りに誰もいないと思ってたわたしが呟いた愚痴だと気づく。
あれ、しっかり聞かれていたんだ。
そう思うと恥ずかしくて情けなくて、ちょっと泣きたい気持ちになる。
でも平くんは気にした様子もなく続ける。
「つまんないならいいじゃん。ちょっと俺に付き合ってよ」
静かな教室に微かに流れる、暖房の音。
まるで止まった時の中にいるように、退屈な高校最後の時間。
平くんの言葉で、秒針が動き出した気がした。
色褪せてしまった高校最後の日常。
平くんの視線で、鮮やかな色が数滴落とされた気がした。
高なる鼓動にうながされるように、
わたしは黙って彼に頷いていた。