卒業まで100日、…君を好きになった。

お父さんがわたしの知らない所で、拓に期待という名の重荷を背負わせていた。

そんなことも知らないわたしは、パティシエになる為に猛勉強して、専門学校にも受かって、拓の前で浮かれていた。


好きなことだけを見て自由にやっているわたしを見て、拓はどんどん不満を持って、苛立つようになっていったのだ。



「拓を焦らせないであげて。まだ中学生だもん。可能性はいくらでもあるよ」



お父さんが道をふさがなければ、拓の前には無限の可能性が広がっていて、選べる道は無数にある。

わたしにははじめから1つの道しかなかったけど、拓はこれからゆっくりと、進む道をしぼっていけばいいんだ。


むっつりと、黙ったままのお父さん。

わたしはその横顔をうかがいながら、ずっと聞きたかったことを聞いてみた。

< 297 / 356 >

この作品をシェア

pagetop