卒業まで100日、…君を好きになった。
これは嘘じゃなかった。
製菓の専門学校から、入学まで長いので課題がいくつか出ているのだ。
でもその課題はほとんど終わらせちゃってるから、ちょっと嘘が入ってるんだけど。
「うん。だから調べたいことがあって」
「お菓子作りについて?」
「それもあるけど、他にも一般教養的なのもあるんだ」
視界の端で、平くんが立ち上がる。
明るい髪の瀬戸くんと短く会話して、ひとりで教室を出ていった。
待ち合わせ場所に向かうんだと思うと、気がはやる。
「そっかー。頑張ってね!」
「う、うん。ありがと。じゃああとでね」
少し気のない返事になってしまったかもしれない。
無言の葉子ちゃんの目から逃げるように、わたしも鞄を持って教室をあとにした。