卒業まで100日、…君を好きになった。
木内さんは不機嫌そうに顔をしかめる。
そして平くんは冷めきった顔。
見えない火花がふたりの間に散っていた。
もしかしてふたりは、ケンカ別れだったのかな。
ふたりが別れた時は、木内さんが浮気したとか平くんが冷たすぎたからだとか、色々な噂が立ったみたいだけど。
「ってゆーか、余裕じゃん。受験生なのに新しく彼女なんか作ってさ」
「俺は受験と恋愛は関係ないと思ってるから」
「ばかじゃないの? 関係ありまくりって言うか、影響出るに決まってんじゃん」
「それは人によるんじゃないの。俺は平気だし」
「……あっそ。篤なんて落ちちゃえばいいよ」
呪いのようなとんでもないことを言うと、木内さんは長い髪をばさりと払って行ってしまった。
どこか汗臭い玄関には不似合いな、彼女の甘い香りを残して。