卒業まで100日、…君を好きになった。
そうか。
木内さんは平くんが合格したこと、知らないんだ。
そういえば前に、瀬戸くんくらいにしか話してないって言ってたっけ。
彼女が去ってから、平くんは小さなため息をついた。
「ごめん。春川さん」
「え? なにが?」
「付き合ってないのに、それっぽく言って巻き込んだ」
「ああ……」
「ごめん」
平くんはバッと身体をを半分に折った。
下げた頭に、パーカーのフードがぱさりと落ちる。
パーカーの紐と一緒に、彼の長めの前髪が揺れた。
「い、いいよそんな! 頭上げて! 気にしてないから!」
平くんはさっきわたしを真面目だと言っていたけど、彼の方こそ生真面目な性格なんじゃと思う。
びっくりはしたけど、そこまでわたしは気にしてないのに。
「ごめん。あいつ……志保はプライド高いから、言いふらしたりとかはしないと思う。迷惑かけて本当にごめん」