卒業まで100日、…君を好きになった。
葉子ちゃんの声だった。
心配するような言い方じゃなく、怪しむ感じの声音だった。
「昼休みいっつも図書室行くしー」
「それは専門学校からの課題があるって……」
「はあ? 奈々、あんなの信じてんの? 絶対嘘だよ」
ぎくりとして、動けなくなった。
だってわたしが嘘をついているのは、真実だから。
悪いことをしているわけじゃないのに、嘘をついているっていうだけでやましい気持ちになってしまう。
固まったわたしの横に、平くんと瀬戸くんが立った。
ふたりともさっきまでの明るさを消して、眉を寄せている。
ふたりにもしっかり聞こえてしまったみたいで、恥ずかしくて、申し訳ない気持ちになった。
立ち止まったりしないで、すぐに回れ右をするべきだった。