卒業まで100日、…君を好きになった。

顔だけ後ろを振り返れば、平くんがこっちを見ていた。

私にそっと笑いかけると、教室のドアを開けて中に入っていく。


やっぱり……平くんは優しい人だ。



「瀬戸くん。ありがとう。わたしひとりで行けるから、教室戻って? 授業はじまっちゃうよ」

「いいってそんなの。弱ってる女のコを置いて戻れるわけないじゃん?」

「でも……」

「それにいま戻ったら俺、平に殺されちゃうよ~」



そう言って瀬戸くんが笑う。


だめだなあ、わたし。

平くんだけじゃなく瀬戸くんにも気をつかわせて。


優しい人たちだなと思った。

さっきのことに触れないで、わたしが気にしないように話してくれる。


絶対何か思うところがあるはずなのに。
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