一級建築士の萌える囁き~ツインソウルはお前だけ~
しかし、眼鏡を取ってそれなりの身なりをすれば海音はかなりのイケメンである自覚はあった。

高校1年の夏、嫌々ながらも母親に押しきられて、お洒落な格好そしてコンタクトにして親戚の結婚式に出た。

親戚や参列者の女性たちは、一様に海音に

『格好いい』

と声色を変えて言い寄ってきた。

黒縁眼鏡にツーブロックヘアの海音に言い寄る女性はいない。

見かけだけでこうも態度を変えるのか?と海音は不快に思ったが、海音も健全な男子だ。

正直、女性からの誘惑に揺れなかった訳ではない。

だが、品行方正でなければN大学の推薦入学は狙えない。

どこで落とし穴が仕掛けられているかわからないのだ。

同じN大学の建築学科を狙っているライバルは多数いる。

一時の生理的な欲望で人生を棒に振るわけにはいかない。

海音は、沸き上がる生理的な欲求と理性の狭間で多感な時期をやり過ごしていた。
< 30 / 187 >

この作品をシェア

pagetop