一級建築士の萌える囁き~ツインソウルはお前だけ~
「ねえ、あんなお子さまのどこがいいの?私の方が女としては佐和山くんを喜ばせてあげられると思うの」

前屈みになり、豊満な胸を強調させて下唇を舐める。

真っ赤な唇にきつい香水の匂い。

改めて、海音は、萌音以外の女性には何の感情も浮かばないどころか、言い寄られると嫌悪すら覚えるのだと実感した。

「これ以上しつこくするならあんたの両親にも迷惑を被っていると訴状を出すがそれでもいいか?」

無愛想な顔に怒気を漂わせ、海音は言った。

「な、何よ。冗談でしょ?」

「冗談でも、ふざけてもいない。俺と萌音の間を邪魔するやつは誰であろうと容赦しない」

「わ、わかったわよ。でも同窓会のことは覚えておいてね」

佐和田はそう言うと、そそくさとその場を立ち去って行った。

だが、佐和田はしたたかな女だ。

萌音に何かするかもしれない。

海音は気づかれないように佐和田の後を追いかけたのだが、案の定、萌音が利用していると思われる女性用トイレに佐和田は入って行った。

「あのやろう・・・!萌音に何かしたらただじゃすまない」

萌音の性格からいって、黙って佐和田にやられるほど弱くはないと海音も思っているが、あることないこと萌音に吹き込まれては困る。

海音は、 萌音が出てくるのを黙って待つことにした。

萌音が入ったトイレがここであっているのかは定かではなかったが、なぜか海音には゛萌音はここにいる゛と感覚でわかっていた。

数分後、予想通り萌音がそこから出てきた。

ゆっくりと歩いてくる萌音の顔が険しい。
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