転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
「だが、トロネディア王国とイローウェン王国は昨年の争い以来ぎくしゃくしているだろう。なぜ、手を結ぶ?」

 リヒャルトが口にしたのは、この場に居合わせる者ならよく知っている事実だった。その戦のあと始末のために、ヴィオラがこの国に送られてきたという経緯もある。

「ええ、ですから、国には相談せず、ティアンネ妃の独断ですよ。俺は昨年この国を追放されてから、父と共に行動していたんです」

 セスの父親であるリンデルトは、もともとティアンネ妃がトロネディア王国からオストヴァルト帝国に嫁いできた際、ティアンネ妃の護衛として同行していた者だった。
 その後、オストヴァルト帝国の貴族の娘に婿入りし、帝国の貴族としての地位も賜った。だが、昨年の事件でティアンネ妃についた結果、セスともども国外追放という処分をくだされて国を出たのである。

「……リンデルトは、おとなしく国外追放されなかったというわけか」
「父のティアンネ妃に対する忠誠心は筋金入りですからね」

< 114 / 302 >

この作品をシェア

pagetop