転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
 ヴィオラが唸りながら読んでいるのは、オストヴァルト帝国の皇族の歴史に関する本だった。ティアンネ妃が輿入れすることになった経緯や、その時に行われた儀式などについて書かれている。
 セスのくれた情報を、自分なりに整理しようとしているところなのだ。

(そっか、ティアンネ妃は、この国に勉強に来ていた人じゃなかったんだ……)

 てっきり、どこかの宮に滞在して勉強しているところを、皇帝に見染められたものだと思っていたから驚いた。
 帝国に来て帝国風の教育を受ける人達は、母国に対する帰属意識が少し薄れているような気もする。
 ヴィオラ自身が母国に対する愛着がまるでないから、そう思うのかもしれないが。
 だが、少なくともクィアトール宮で生活している少女達は、母国の命令だからというよりも自分の意志で動いているようにも思える。
 この国の皇族に嫁がねばならないと、ことあるごとに大騒ぎしているスティーシャも、国元の命令だからというより、自分がそうしたい気持ちの方が強いように見える。

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