転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
(ティアンネ妃は、母国のためにっていう意識を強く持って嫁いできたのかな……)

 少なくとも、この国でずっと教育を受けた人よりは母国愛が強いと思ってもいいのかもしれない。
 皇帝の寵愛を一心に受け、世継ぎを得て、皇妃となり、そしてトロネディア王国に繁栄をもたらすことを期待されてティアンネ妃は嫁いできた。
 けれど嫁いで二十年以上が過ぎて、皇妃になることもできず、世継ぎを得ることもできず。追い込まれた結果が、皇妃をその地位から蹴落とそうという陰謀だ。

(今さら、イローウェン王国と組んで、皇妃の地位を手に入れる必要があるのかしら。やっぱり、二番目のまま終わるのは嫌だという感情の問題なの?)

 懸命に考えてみるけれど、ヴィオラにはこれ以上は難しそうだ。

「どうした、難しい顔をしているな」
「リヒャルト様こそ」

 ヴィオラに付き合って来てくれたリヒャルトが、向かいの席から声をかけてくる。

「――俺はいいんだ。自分のことだからな。それに、君にも迷惑をかける」
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