転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
 なんてヴィオラが思っているうちに、新しいドレスが着せられる。皇妃が選んでくれたのは、白を基調としたドレスだった。

「……すごい!」

 鏡の中の自分を見て、ヴィオラは目を丸くする。鏡に映っている自分から目を離すことができなかった。
 白一色のドレスは、フリルとレースが縫い付けられていて、このままウエディングドレスとしても使えそうなほどに美しい。

「婚約式のドレスって、白を着るんだった?」

 大陸は広いので、その国独自の風習というものがある。ヴィオラの把握している限りでは、婚約式のドレスは好きな色のドレスを着てよいはずだ。
 もちろん白を着たっていいわけだが、こんな風にウエディングドレスとしても使えそうなものだとは想定外だ。

「皇妃様は、そのようになさったようですね。そうそう、当日はジャニス妃が首飾りを貸してくださるそうです」
「ジャニス妃が?」

 思ってもいなかった名前に、勢いよく振り返る。
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