転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
 ジャニス妃は、皇帝の五人いる妃のうちの一人だ。皇妃、今は離宮にいるティアンネ妃につぎ、第三位の地位を賜っていた。
 一国の王女で皇帝の妃ということもあり、少し前までは彼女の産んだセドリック皇子が皇太子に一番近いといわれていた。
 リヒャルトになにかあったら、セドリックが皇太子となる可能性が高いから、ティアンネ妃とザーラはジャニス妃を抱き込もうとしている。
 それを知っているから、ジャニス妃がヴィオラに手を貸してくれるとは思っていなかった。

「はい。最近、皇帝陛下のお渡りの回数も増えましたし……ヴィオラ様のおかげなので、そのお礼とのことでした」
「でも、首飾りを借りても大丈夫かしら? 私と接近することで、ジャニス妃の立場が悪くなったりしない?」

 セスの話と過去の状況から判断すれば、必ずしもこちら側の陣営とは言えないのがジャニス妃だ。
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