転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
 こちらでは丸鶏は、中にハーブ等をつめて丸焼きにすることが多く、サムゲタンのように丸ごと煮込むというのはあまり例がない。フォークだけでほぐれるほど柔らかく煮込んだ鶏肉なら、病人でも食べやすいのではないだろうか。
 皇帝は豪華な食事には見慣れているが、いかにも病人食というものを出されるより、機嫌よく食べてくれそうだ。

「そうね、試してみるわ。身体にいい食材を選ぶように、厨房に言っておきましょう。陛下はめったに体調を崩されないから、私も焦ってしまったわ」

 これでひとまず安心だとヴィオラは思っていたけれど、事態は思いがけない方向に動き始めていたのだった。
 
 ◇ ◇ ◇
 
 このところ忙しくしていたのが響いたのか、あるいは単に日ごろの不摂生か。一度倒れた皇帝は、なかなか公務に復帰することができなかった。
 熱は下がり、食欲も戻って、何事もなく過ごせる日も多いのだが、耳鳴りがしたりめまいがしたりとなかなか本調子にならない。
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