転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
「――父上に追いつくのは大変だな。特に俺は長い間、逃げていたから」
「お仕事ですか?」

 リヒャルトがヴィオラの前で、こんな風に弱音を吐くのは珍しい。
 手を伸ばして彼の頭を撫でてあげたいような気分になった。

「陛下も、少しお休みになったらいいんですよ。働きすぎだもの」

「そうだな。その分、俺達がしっかりしないと。今はなにをしていたんだ?」
「どうやったら、陛下が元気になるかなーって考えていたんです。アラム達も頭をひねっているし、私もお手伝いできたらいいと思って」
「ヴィオラは、いつも人のためになるようにと考えているんだな」

 隣にいるリヒャルトが、感心したような声音になるからいたたまれなくなる。
 別に、そんなにたいしたことをしているつもりはないのだ。
 ヴィオラにできるのは、新しいメニューのアイディアを出すことくらい。
 実際に手を動かすのはアラムをはじめとした厨房の料理人達だし、彼らがレシピを改良した方が圧倒的においしくなることも多い。

< 168 / 302 >

この作品をシェア

pagetop